2020.09.16源庫

無駄な抵抗はやめよ ~あるがままに在ること~

自分らしく生きたい。
充実感を感じたい。
満足のいく人生を送りたい。

誰もがそんな望みを抱きながら生きている。
それなのに実際には、充実感や満足感からは程遠い状態で、いつももがいていたりする。

「何が足りないんだろう?」
「もっと努力せねば」
「力をつけなきゃ」
自己分析、反省、向上心、自己変革……。様々な名のもとに、我々は、現状の自分を変えようとする。それは裏返せば、現状の自分を認めていないということだ。

我々の殆どが、いつも心のどこかに、完全ではない、十分ではない、OKではないという感覚を持っている。絶えず自分自身や現状に足りない何かを探している。
常に常に、何かを目指し、何かを求め、得ようとし、成長しよう、改善しよう、解決しようとしている。
そのため頭も心も緊張し、力が入り、完全にくつろぐことも、完全に安らぐこともない。

要するに、我々は、あるがままでいられない。
あるがままを受け入れられない。
あるがままを許せない。

だが、実のところ、この“あるがままの自分への抵抗”が、すべてを滞らせ、おかしくしている原因なのだ。この抵抗こそが、人生の流れを妨げ、心地よい展開を阻んでいるのだ。

「でも、自分が力不足なのは事実」
「自分には何の実績もないし、うまくいったためしもない」
「自分は人から理解されないし、評価もされない」
「そもそも自分自身が好きではない」

我々は、あれこれ理屈をつけては、何としてでも、自分自身に問題点や不足を見つけ、否定しようとする。決して、自分が今この状態でいることをよしとせず、あるがままでくつろぐこと、満足することを許さない。

しかし、あるがまま以外に何があるというのか?
あなたは何をしようがどこへ行こうが、あるがままのあなた自身であることを決してやめられない。それにやめる必要もない。
そもそも、あるがままで十分に、いや十分以上に最高に素晴らしいのがあなたなのだ。あなたがただ、あるがままである時、あなたがこの世に生まれてきた意味が、最高最大に発揮され、まっとうされる。それが当たり前なのだ。何せ、そのために生まれてきたのだから。
あなたが自然な自分のありようを自分に許し、くつろぐ時、世界はあなた本来の資質や持ち味が最も磨かれ、花開くように、物事や出来事を運んでくる。そしてあなたがあるがままにそれを受け入れ、あるがままの自分の心や行動を楽しむ時、人生は自ずと豊かに流れていく。それ以外にあり得ないのだ。

しかし、あなたがその展開の邪魔をする。
「こんなことじゃいけない」と自分を否定する。
「ダメな部分を克服しよう」と自分を操作する。
「高望みしちゃいけない」「わがまま言っちゃいけない」と自分を抑圧する。

そんなことを繰り返すうちに、人生の流れが悪くなり、うまく展開しなくなる。焦ってさらに自分を何とかしようとするうちに、何がやりたいのかわからなくなる。へとへとになる。嫌になる。

「頑張っても報われない。どうしたらいいのかわからない。努力するのに疲れた……」
そんな時は、自分自身に問題点や改善点を探すことを、一休みしてみるといい。成長しなきゃ、と焦ることから、ちょっと自分を解放してあげよう。
あるがままの自分でいることを許さないのは、結局のところ、不自然な試み、無駄な抵抗なのだ。

四の五の分析せず、ふーっと息をつく。
もういい。もう、これでいい……。
ふーっと息を吐く……。

あなたがあるがままの呼吸を取り戻すと、人生も息を吹き返すのだ。