2021.06.04源庫

喜びは今にある。
悲しみも今にある。
笑いも涙もすべて今にあり、今にある限り、それは美しく、みずみずしく、生きている。
しかし、我々はすぐに今から外へ出てしまう。

大切な人がそばにいる。それを感じる時、あなたの心は喜びと愛おしさでいっぱいになる。
しかし、続いて思考が浮かぶ。
「この人とこれからもずっと一緒にいたいなあ」
「以前はこの人がいなくて寂しかったな」
「もし、いなくなったらいやだ」
もはや意識は今にない。

朝、目覚めて、明るい日差しに、身も心もやさしくほぐれ、幸せに包まれる。
しかし、続いて考える。
「こんなにいい天気なんだから何をしよう?」
「せっかくのいい天気なのに、今日も仕事か」
「今日の予定は…」
もはや意識は今にない。

我々は今にあり続けることができない。
様々な予定や用事が頭に入り込み、連想が次々に浮かぶ。過去へ未来へ意識が飛び、気づけば空転する思考のとりこになっている。いや、気づきなど無く、“感じること”をすっかり忘れ、“考えること”に埋没する。
それが不安や落ち着かなさや窮屈さを呼ぶ。恐れも偽りも疑いも、すべては過去や未来に紐付いている。

もしあなたが、常に今の中にいるならば、状況がどうであれ、日々はくつろぎと落ち着きと安らぎの中にある。
愛、感謝、慈しみ、安らぎ、心地よさ……。それらはすべて、今の中にしかない。

今とともにあること。
ずっと今の中で動いていけばいい。