2021.01.22雪水清花

「喜び」の力 〜人生の贈りもの〜

「喜怒哀楽」という言葉が示すように、「喜び」は、人間の基本的な感情の一つです。
この四字熟語で表現されている感情を含め、人間に備わるすべての感情には無駄なものなんて一つもなく、その時のその人にとって、必ず何か大切な意味があります。これは、逢いことばの日々のセッションでもしばしば感じることであり、また、このブログでも、折にふれて書いてきたことでもあります。
いわゆる“ネガティブ”と言われる感情であっても、「良い」も「悪い」もない。ただ、その感情が自分に気づかせようとしている、自分の心の奥底にある本当の気持ちに気づくこと。そして、必要なのは、そこに適切に向き合ってあげることだけであって、いろんな感情を抱く自分自身を、否定したり批判したりする必要はない。このことは、とても大切なことだと思います。

一方で現代は、人々が、「喜ぶ」こと、「楽しむ」ことに対して、無意識に罪悪感を抱き、遠慮したり自制したりすることが、とても多くなっているのを強く感じます。
自分だけが喜んだり楽しんだりするのは、なんとなく申し訳ない。もしくは、喜んだり楽しんだりするのは、何かを達成した後に初めて許されるもの。そんな無意識の規制を、自らにかけているということが、とても多いのではないでしょうか。

今、私たちは、「喜怒哀楽」全ての感情が人間に備わっていることの意味と素晴らしさを、もう一度改めて捉え直す時なのではないでしょうか。ネガティブな感情に“良い悪い”がないように、ポジティブな感情に“良い悪い”もありません。喜んだり、楽しんだり、ワクワクしたりすることは、私たちに自然に備わった大きな力であり、可能性であり、祝福です。喜ぶこと、楽しむことは、人生を大きく前に進める起爆剤であり、燃料です。
「楽しい!」「嬉しい!」の感情は、人を笑顔にします。それはとても軽やかで活力あるエネルギーです。感謝や親しみ、信頼、愛情など、人や世界への温かい気持ちを増幅させ、循環させます。そして勇気や自信、誠意、真心など、人生をしっかりと前進させる拠り所となる素晴らしい力となって、私たちを強力に後押ししていきます。

喜ぶことや、楽しむことに、どうか規制をかけないでください。
どんなにささやかなこと、小さなことでも構いません。日々の暮らしの中で、自分の心と身体で「喜び」の感情をじっくりと感じてあげること。その小さな一つ一つの積み重ねは、あなたを確実に軽やかなエネルギーで満たしていきます。それは自分の中で眠っている、想像以上の素晴らしい力を引き出していきます。

喜ぶ力は、自然が私たちにくれた大切な贈りもの。形や表現の仕方は様々ですが、この素晴らしい贈りものを思い切り味わうのが、私たち一人一人の人生なのです。