2023.11.09雪水清花

日本の植物からの贈りもの

紅葉も深まる美しい季節。
人も、動物も、そして植物も、ほっと一息つける気候になりました。
春夏秋冬、日本の四季の美しさは、折々の趣を湛えますが、秋は、あらゆるものの中に繊細な情緒を見出すことができる、ことさら美しい季節だと思います。

そんな季節に慎ましい花を咲かせたり、色とりどりの紅葉や実りを迎えたりする秋の植物たち。
そのたたずまいは、日本人の美意識や感性を刺激するものばかりです。

淡く優しい光と風の中で、軽やかに揺れる稲穂や、すすきの穂。
天高く広がる、澄み切った大空。
たわわに実る柿の実は、鮮やかな彩りと趣のある風情を添えてくれます。
枯草色や朽葉色、団栗色(どんぐりいろ)や葡萄色(えびいろ)など、秋にまつわる日本の伝統色にも、植物の繊細な色彩をとらえた美しい名前があふれています。
言葉で描写するだけでも、植物たちが織りなす日本の秋の風景に、懐かしい情緒を感じる方も多いのではないでしょうか。

古来、私たち日本人は、この土地で共に生きる植物たちによって豊かな感受性を育まれてきただけでなく、衣食住のあらゆる側面でも、大いに助けられてきました。
体の不調を整えるために古くから用いられてきたドクダミやゲンノショウコ、センブリは、かつてはどこでも見つけることができた身近な草花ゆえに、日本の“三大民間薬”と呼ばれ、活用されてきました。
柿から作られる柿渋は、優れた防腐効果や防水効果で、和紙や外壁の強度を強める塗料としても用いられてきています。
桜や椿は、木目の美しさやしなやかな強度で、家具や茶筒、そろばん玉や将棋の駒など、さまざまな工芸品としても活かされてきました。
身の周りの草花や木々の力を借りながら、暮らしと居住いを丁寧に整えてきた日本人にとって、同じ土地で生きる植物たちは、とても近しく、そしてとても頼もしい存在だったのです。

時を経て、今の日本の暮らしは、ずいぶんと趣が変わりました。
特に都会で暮らす現代人にとって、野原や森や山を彩る豊かな緑は、馴染みの薄いものになっています。
けれども日本の植物たちは、昔も今も変わることなく、自分の生きる場所で四季折々の表情を見せながら、私たち日本人の感性を育む土壌となっています。

ドクダミやヨモギ、オオバコやタンポポ。
強い生命力を持つ植物たちは、都会でも容易く見つけ出すことができます。
大人になると、慌ただしい日常の中で、草木の営みなんぞに気づくことなく日々が通り過ぎていくかもしれません。
けれども子どもの頃は、身の回りの草花や木々と仲良くつながる力を、誰もが持っていました。
“雑草”と呼ばれる草花を摘んで、おままごとの料理で刻んだり、落ち葉を踏んで遊んでみたり、舞い散る桜の花びらを不思議な気持ちで眺めたり……。
知らず知らずのうちにたくさんの植物を見つめ、感じ、触れてきた小さな頃の思い出は、誰の中にもあるのではないでしょうか。

私たち日本人ならではの豊かな感性を育み、暮らしを支えてきた、木々や草花。
幼い頃の懐かしい記憶に息づく、小さな自然の世界。
そんな日本の植物たちに、大人になった今、あらためて出会いなおすこと。
逢いことばで開催している「和ジェモ セルフケア講座」は、まさにそんな時間です。
実践的でありつつも、身近な植物たちが伝えるメッセージを心で捉え、つながることができる、そんな感性に根ざした学びの時間です。

「ジェモ」とは、植物の「新芽」を意味します。
「ジェモセラピー」とは、植物が成長していくための豊富な栄養分や有用成分、エネルギーが凝縮された新芽の部位を、飲用するエッセンスとして抽出し、私たちの心身を整えるために用いさせてもらう植物療法です。
和ジェモ講座は、15種類の日本の植物の新芽から作られたジェモエッセンスについて、ひとつひとつの特徴や働き、暮らしの中での取り入れ方、さまざまな症例や体感を、実践的に、わかりやすくお伝えしていく1day講座。
個々の植物の生き様や、長い歴史の中で培われてきた人との関係性についても触れながら、それぞれの植物が私たちの心に届けようとするメッセージについても、丁寧に洞察していきます。
桜や椿、ヨモギやドクダミなど、幼い頃の風景に寄り添う身近な植物たちが、自分自身、そして身近にいる大切な人々の「心」と「体」を守るために、どんなふうに支え、助けてくれるかを、深く知ることができる学びです。

この土地で共に生きる植物たちが、昔も今も、ずっと変わらず届けてきてくれた贈り物。
それは、心身の不調を癒す有用成分としての働きだけでなく、私たちの心の奥深くにある澄んだ感性を動かしていく力としても感じられます。
植物についての学びを深め、ジェモエッセンスという形で日々、その力にふれていると、そんな思いが年々深くなります。
自分自身や周りの世界を、思考や理屈での解釈だけでなく、心で感じ、心で捉えることができたときに、植物や動物と共に生きるこの世界の美しさや素晴らしさ、そして自分の心と体に備わる本来の可能性を、子どものような純粋なまなざしで見出していくことができる。
ありし日の記憶に根ざした懐かしい植物たちは、そんな大切な気づきを、優しく、そしてやわらかく促してくれます。

ふるさとの自然との深いつながりを、心と体でじっくりと感じながら、この秋は、植物からの豊かな贈り物を受け取ってみませんか。


【和ジェモ セルフケア講座】(4時間30分程度の1day講座です。)
 ※ZOOMでのオンライン受講も可能です。

本講座は、エコール ド エルボリストリーのカリキュラムに基づき、身近な15種類の日本の植物について、それぞれの新芽のエッセンスが心と体にどのように働きかけるか、ひとつひとつの特徴や作用、暮らしの中での取り入れ方、様々な症例や体感を、実践的に、わかりやすくお伝えしていきます。
ジェモの基本についても丁寧にお伝えしますので、ジェモセラピーが初めての方にも安心して受講いただけます。
1日で学べる講座なので、ご自身やご家族のために、すぐに実用的にお使いいただくことが可能です。

ご都合に合わせたスケジュールでのリクエスト開催を随時お受けしています。
ご希望によって、同講座を2回に分けての開催も可能です。
お気軽にお問い合わせください。

【本講座で取り上げる15種類の日本の植物】
・サクラ
・ツバキ
・ヨモギ
・ドクダミ
・チコリ
・ビワ
・カキ
・ウメ
・カリン
・セントジョーンズワート(弟切草)
・ゲットウ
・マコモ
・アカマツ
・スギナ
・クロモジ

※講座内容の詳細については、
当店ホームページ「learning(講座)」から、「ジェモセラピー各種講座/和ジェモ講座」をご参照ください。

【受講料】
41,800円(税込)

※一般社団法人 日本ジェモセラピー協会発行の修了証をお渡しします。
※「ジェモセラピスト養成講座」受講で割引特典あり。

杉並校受講特典】
講座受講の方には、お好きな和ジェモを1本プレゼントします。(1本5,184円相当)

【開催場所】
逢いことば/エコール ド エルボリストリー 杉並校
東京都杉並区西荻北3-22-22-201(JR中央・総武線「西荻窪駅」北口から徒歩1分)
※ZOOMでのオンライン受講も可能です。

【講師】
雪水清花(ゆきみ さやか)/植物療法士・セラピスト
エコール ド エルボリストリー 杉並校 校長
日本ジェモセラピー協会認定 エラボリスト、フィトセラピスト

【お申込】
講座のお申込は、日本ジェモセラピー協会経由でのお申込みになります。

和ジェモセルフケア講座


【詳細に関するお問合せ】
逢いことば/エコール ド エルボリストリー 杉並校
TEL:03-5303-9730
MAIL:info@aikotoba-salon.com