2021.02.07源庫

潜在意識をきれいにする ~幸せな現実化~

潜在意識は、現実世界を生み出す母胎だ。
潜在意識にどんなものがあるかで、あなたが体験する現実がつくられる。潜在意識には、現実世界を形成する材料が詰まっている。

我々の内なる潜在意識と、五感で認識する外側の世界は、鏡のような関係にある。
見るもの、聞くもの、触れるもの、知り、感じ、体験するあらゆる存在、あらゆる出来事が、自分の潜在意識を反映して現れる。
この潜在意識は、その名の通り、深いところに隠れており、我々はそれを直接知ることも感じることもできない。

我々が普段、あれこれ考えたり感じたりしている思考や感情は、“顕在意識”として現れているものだ。
人は、顕在意識にネガティブな感情が現れるのを避けようとする。誰だって、悲しみや怒り、恐怖や嫉妬、惨めさを感じるのは嫌だ。
何か嫌なことがあったり、嫌な気分になったりすると、ほとんどの人が、心に現れたネガティブな感情を何とか静めようとする。じっと抑えつけて我慢したり、合理的な説明で納得しようとしたり、酒や娯楽で気分転換をはかったりして、どうにかしてそのネガティブな感情を感じ続けないようにする。

しかし、抑えつけたり、脇に追いやったりしても、それでネガティブな感情は消滅したわけではない。単に、顕在意識から潜在意識の中へ格納されただけだ。差し当たり、自覚できる意識の中から苦痛が無くなるので、あなたは一瞬楽にはなるが、結局、却って厄介なことになる。
潜在意識は現実の母胎。そこに溜め込まれたネガティブな感情はふつふつとたぎり続け、遠からず、それを反映するような出来事を外側に作り出す。
悲しみを閉じ込めていれば、悲しみを感じさせる出来事が、怒りを閉じ込めていれば、怒りを感じさせる出来事が、劣等感を閉じ込めていれば、劣等感を感じさせる出来事が起きる。
そしてまたネガティブな感情が現れると、あなたはそれを潜在意識へ押し込む。そしてさらに嫌な出来事が起き、さらにまた……というネガティブなループが延々繰り返されることとなる。

このループから抜け出す方法は一つしかない。ネガティブな感情を、潜在意識の中へ追いやるのではなく、顕在意識において消化することだ。
人それぞれに様々な問題や苦しさを抱えているが、日々の暮らしの中でネガティブな感情を感じる時は、それを消化するまたとないチャンスだ。

お金がない不安、収入が少ない惨めさ、人から評価されないことへの憤り、苦手な人物への恐れ、夢をあきらめた悔しさ、好きな人にフラれた悲しみ、言うことを聞かない我が子への苛立ち……。
苦しくて嫌な気分になった時、我々はそうなった“原因”を誰かや何かに探したり、解決策を考えたりしがちだが、そこが実は“落とし穴”になる。そうすることで、我々の注意は自分自身の感情から、外側の誰かや何かに逸れる。さらにそこから執着が生まれたり、行動に没頭したりするうちに、自分の感情は置き去りにされ、未消化のまま潜在意識の中へしまい込まれてしまう。

大切なのは、状況や他人の分析でも、問題の原因探しでもなく、あくまで、自分の“気持ち”、“感情”そのものを見つめることだ。
あなたは怒っているのか、悲しんでいるのか、寂しいのか、悔しいのか……?
頭が混乱するようなら、思いつくままに、正直に書き出して見るのもいい。
実際にこれをやってみると、思いの外、様々な感情が自分の中で動いているのがわかる。「私はすごく腹が立っている」だけでなく、悲しみや、悔しさ、恐れ、寂しさ、不安、つまらなさなど、いろいろな感情がそこにあるのが見えてくる。

次第に、自分はいつも同じパターンで同じネガティブな感情を感じていることに気づき始める。自分には、お決まりの、考え方、感じ方のクセがあることがわかってくる。この“思い癖”こそが、あなたの潜在意識に隠れたネガティブな感情そのものなのだ。
実のところ、「嫌な状況」や「嫌な人物」「嫌な出来事」は、そうしたあなた自身のネガティブな“思い癖”に気づかせるために起きているただのトリガーに過ぎず、それ自体には何の力もない。
実際にあなたを苦しませてきたのは、潜在意識に隠れていた“思い癖”、いつもお馴染みのネガティブな感情だったのだ。それが何度も顔を出してはあなたを振り回すのだ。
この事実を知ると、どんな状況や出来事が起ころうと、もはや脅威ではなくなる。何せ、あらゆる苦しみは、常に己の中から来るのだ。外側の何を恐れる必要があるだろう?

誰もが、いくつかの“思い癖”、ネガティブな思考・感情のパターンを持っている。
そして、ひとたび自分の“思い癖”に気づくと、それを感じるのが、以前ほど苦痛でなくなってくる。動揺せずに、その都度気づき、見つめることができるようになってくる。見つめていると、気持ちが次第に静まり、落ち着いてくる。楽になり、澄んでくる。あなたのネガティブな感情がひとまず“消化”されたのだ。

こうして、怒りや悲しみ、惨めさや無力感といったネガティブな感情を、その都度味わい、消化するようになると、次第に、それを感じることは怖くなくなっていく。そして、湧き上がる様々な感情を「良い感情」と「悪い感情」に二分するのではなく、人生の折々で感じる一つ一つの気持ちを、その日その時の彩りとして豊かに味わっていけるようになる。
そしていつしか、古くから潜在意識の中に溜め込んできた重たい感情も、ゆっくり引き出され、確実に消化されていく。その結果、外側に起きる出来事も、軽く明るいものになっていく。

“潜在意識は現実化の母”。これは法則だ。
潜在意識をきれいに保つことで、あなたの人生も必ずきれいになる。